熟成期間をどう考えるか
ポプリは、材料を混ぜ合わせた後、熟成期間を置くとされています。
個人的に、これをどう考えているかを書いてみます。
基本的には、「2週間以上熟成させる」
ポプリの書籍など見ると、たいてい、
最低でも2週間、可能なら1か月以上寝かせろ
などと書いてあります。
私は、基本的には、2週間はじっと待って、2週間たったら開けて香りを確認します。早く開けてみたいと思っても、とりあえずは2週間待つ、というのが自分ルールです。
熟成期間中は、なるべく暗く涼しい場所に置き、たまにゆすって材料が良く混じるようにします。
オイルを足して再熟成させることもある
熟成期間の2週間がたって開けてみたときに、
「物足りない」
と思ったら、オイルを加えてもう少し寝かせます。このときに加えるオイルは、1滴か2滴です。基本的には、「1滴だけ」が良いと思います。
なんとなく、もう少し熟成させることもある
熟成後、明確に「物足りない」とは思わなくても、「なんとなく、もう少し寝かせた方が良い気がする」ということがまれにあります。
私はせっかちなのか、「早く出来上がる方がいい、早く室内で香らせたい」と思う方で、「もうちょっと寝かせようか」と思うことはほぼ無いのですが、なぜかそう思うときが極稀にあり、その時は自分の感覚を信じてもう少し熟成期間を置きます。
どういうときに「もう少し寝かせよう」と思うのか、と言われても、これは完全に勘なので、人に説明することができません。ただ、「もうちょっとかな?」と思う、というだけです。
これは、長年ポプリを愛好し、自作してきた過程で思うようになったことなので、経験値の裏付けは無いこともないのだろうと思っています。でも、熟成期間を増やしたからと言って劇的に素晴らしい香りになった記憶も無いので、「気のせい」の範疇なのかもしれないです。
熟成させると、香りは確かに変わる
熟成前のポプリと、熟成後のポプリは、やはり香りが違います。といっても、熟成中にがぜん芳香性が強くなるような都合の良いことが起こるわけではなく、個々だった香りが「ひとまとまりの香り」になる、というほどの変化です。
場合によっては、予想以上にまろやかになったり、隠れていた香りが意外と表に出てきたり、ということはあります。
でもそれは、「悪いものが、良いものになった」という変化ではないです。
たまに熟成させないこともある
シンプルすぎるポプリを作るときに、「熟成も何もないでしょう」と考えたら、私は特に熟成期間をおかないことがあります。
シンプルすぎるポプリとは、単一の香りしか使わないようなときです。例えば、レモングラスとレモンだけが材料の場合とか、バラを各色集めただけ、という場合、前者ならば混ぜてレモンオイルを加えるだけ、後者ならば混ぜてローズオイルを加えるだけ(なんなら両者ともオイル無しでも良い)で完成とし、2週間待ったりしない、ということです。
これは、もしかすると熟成させたらもっと良いポプリになることもあるのかもしれませんが、「それよりすぐに楽しみたい」と作者が思うなら、2週間を待たずにショートカットしていいじゃないか、と思います。
また、あまりにも少量で作るときにも、私は熟成期間を設けません。ほんの何本かの水仙が手に入った、ストックするより、今すぐに手持ちのハーブか何かと混ぜて、半カップに満たないくらいの量でもポプリにしたい……というようなときです。片手でつまめるくらいの総量のポプリに、2週間かけることは無いだろう、と思ったら、私は熟成の過程を飛ばします。
もう一つ、こちらの記事→いい加減ポプリの作り方 で紹介している、私のてきとーなポプリの作り方の一つ、「花を乾かすたびにどんどん加えていくだけのポプリ」も、熟成期間を置きません。(ただし、特におすすめの方法ではないです)
熟成なんか不要のポプリもあると思う
現在、巷でポプリと呼ばれているものには、いろいろなものがあります。
完全に無香のドライ植物に、オイルで香り付けするのをポプリと呼ぶ人もいます。その場合は、もともとオイルの香りだけで良いという考えなのですから、特に熟成期間は必要ないと思います。
上記のような、無香のドライ植物に縁もゆかりもない香りを人工で加える、というポプリは、私は今のところ作ろうとは思いません。
しかし、手元にドライ植物もオイルもある人間なので、いたずら程度にやってみることは無いとも言えないです。(例えば、ドライのルリタマアザミにローズオイル振りかける、みたいなことですが、そうなったらポプリとは思わずに「ナチュラルテイストのアロマディフューザー」と考えるような気がします)