パンジー
うちで咲いたパンジーです。
私は、パンジーの花をポプリにしようとは、長年考えたことがありませんでした。理由は、熊井明子さんの本で、「パンジーを乾かすと、貝を煮たみたいな妙な香りになる」と読んだことがあるからです。良香にならないとわかっているもので素材作りをするつもりはありませんでした。
しかし、自宅のパンジーを見ているうちに、「1輪や2輪なら悪臭にもならないだろうし、パンジーだとわかる形に乾くなら、演出用の素材にはなるかもしれない」という気持ちになりました。
どうせ、うちで次々に咲くのですから、1~2輪摘んでどんな形に乾くのか確かめて、嫌なら捨てればいいだけだ、と思って、素材作りに着手しました。
パンジーの茎を、花の付け根のところから切ります。
そうすると、花弁がばらばらになりません。今回は、「パンジーです」とわかる形に乾かしたいと思っているので、花弁をばらさない乾かし方をします。
↑いつものように、紙の上で乾かします。
うちのパンジーは、ほぼ黒に近いようなえんじ色で、これが乾いたら真っ黒になってしまうかもしれないな……と思っていたら、
案の定、ほぼ真っ黒みたいな色になりました。
しかし、これはこれで私は気に入りました。もともと、ブラックパンジーが好きなのです(黒い花を咲かせる品種があります)。しかも、なんとなく乾いた質感がベルベットみたいな風合いになり、なんだか高級感があるように思えました。
香りを確かめたところ、「貝を煮たような香り」ではありませんでした。が、とてもかすかにですが癖のある香りはします。
しかし、かすかなので、2輪だけポプリの上に乗せて「パンジーが入っているアピール」に使うことは十分にできます。
幸い、「パンジーだ」とわかるように乾いてくれました。パンジーだと見抜けない人にも、「これパンジーです」と言えば「ああ、ほんとだ」と言ってもらえます。
人は、パンジーになんとなく「スミレの良い香り」みたいなイメージを持っています。「貝みたいな妙な香り」という印象を持っている人など普通はいません。なので、「捨てるかもしれない」と思って作りましたが、ちゃんと活用できるものになりました。